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街ぶら散歩道 備中織物で栄えた町 井原市高屋

岡山県の南西部に位置する井原市は高梁川の支流、小田川流域の盆地に位置します。温暖な気候と小田川の豊富な伏流水を活用し、江戸時代から綿花の栽培が盛んでした。収穫される綿花を原料とする織物で繊維の町として発展。後に藍が伝わってからは染料を作り、綿糸を染色して藍染織物を手がけます。宿場町の高屋では、藍染めで厚地の「備中木綿」が参勤交代で往来する人々の土産として人気を博し、井原の特産品として全国に流通。備中木綿の中心地としても繁栄した高屋には、幕末から明治時代にかけて大商家が多く生まれました。明治〜大正時代に入ると自動織機を導入した織物会社が設立され「備中小倉」として大量に生産されるようになりました。現在はかつて商家が軒を連ねた旧山陽道沿いに往時の面影を残すのみとなっています。この町並みは1856(安政3)年の大火で全焼した後の建築で、古い伝統的な建物の多くは防火対策を施した塗籠造になっているのが特徴。他にも由緒ある寺院や和風美術館など見どころも多彩です。なお備中小倉は「井原デニム」の原型といわれています。

街ぶらポイント

  • 旧山陽道の町並み

    古くは石見銀山御用引継駅として、また旧山陽道の宿場町として栄えた歴史をもつ井原市高屋。国道が旧山陽道を避けて整備されたため、昔ながらの狭い道沿いに古い商家や町家が所々に残っています。人馬の侵入を防ぐ駒寄せ、丸みのある曲線が美しいむくり屋根、うろこ壁、格子戸、うだつなどの観賞が楽しめます。また直線的に造られた街道において、一里塚とともに設けた大きな直角の曲がり角が2か所ある大曲跡も存在。参勤交代の時代には殿様が駕籠を止め前後の行列を眺めては長い旅を続けたとのことです(旧山陽道大曲跡の案内板より)。

    田中(でんちゅう)美術館やアートループ商店街など井原市はアートも楽しめる
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  • 高山寺

    731(天平3)年の開創と伝わるお寺です。1837(天保8)年に本堂を焼失。1881(明治14)年と2000(平成12)年に再建。2000年の再建時には元の本堂同様に、頂上に宝珠を載せる宝形造でくぎを使わない伝統工法を用いています。2年がかりで完成した本堂は、どこから見ても美しい屋根の線とシンプルな形が特徴です。2012(平成24)年完成の宝物館に安置する地蔵菩薩立像(国指定重要文化財)、不動明王坐像(同)、一木造りの十一面観音立像、阿弥陀如来坐像の見学は予約制。また、自由につける室町時代に鋳造された梵鐘、推定樹齢350年以上のモッコクも注目を集めています。

    岡山県井原市高屋町1801 TEL.0866-67-1425

  • 華鴒大塚美術館

    子守唄の里 高屋駅前に広がる住宅街の一角、大屋根が目を引く和風建築の文化施設です。金島桂華の作品を中心に近現代の日本画壇、洋画壇、彫刻界を代表する作家の作品、約600点を所蔵。和の趣豊かな落ち着いた雰囲気の館内に3つの展示室を設け、四季折々のテーマに合わせた作品を鑑賞できるよう、趣向を凝らしています。茶道家元の設計監理による日本庭園では、インパクトのある大きな自然石、植物園のような多彩な樹木、数寄屋茶室を愛でながらの散策が楽しめます。

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スクープ!地元民だけが知る未開拓話。

中国地方の子守唄発祥の地

子守唄は親から子へ口伝えで歌い継がれるものです。それゆえに地方により歌詞が異なることも珍しくありません。ところが井原市近辺の「ねんねこしゃっしゃりまーせ」で始まる子守唄の歌詞は全国共通になっています。さかのぼること昭和時代初期、井原市高屋出身の声楽家、上野耐之氏が恩師、山田耕作に故郷の母親が歌っていた子守唄を披露。感動した耕作が「中国地方の子守唄」として編曲、発表して以来、広く親しまれています。そして井原市高屋に耐之の生家があり、中国地方の子守唄発祥の地に。愛情あふれる母の心を歌う子守唄にちなみ、駅の高架下やカントリーサインなどに子守唄をイメージしたイラストが見られます。

井原出身の上野耐之が作詞

お話をうかがった 高屋公民館 館長
高村 誠二さん

菓子工房クララ

「素朴で優しいお菓子を」コンセプトに作る洋菓子が常時20種類ほど店頭に並びます。地産地消に取り組み、井原市芳井町明治地区で収穫する明治ごんぼうを使った「星さぶれ」「月まどれーぬ」を販売。皮つきで使用することでゴボウの食感と香りが楽しめます。昔ながらのショートケーキ、一本ずつ手焼きするバオムクーヘンも人気です。

岡山県井原市下出部町2-21-12 TEL.0866-67-1170

街ぶらマップ