
倉敷十六屋 難波家本宅
倉敷エリア|歴史的建造物・神社仏閣・史跡
倉敷の呉服店の明治時代から残る店舗と本宅を公開。
倉敷の賑わいの中心にあった呉服店
倉敷美観地区の東端に位置する倉敷市東町は、江戸時代から賑わっていた美観地区中心部から少し遅れ、明治以降に店舗が立ち並び始めました。この地で明治21年(1888年)頃から呉服店を営んだ『十六屋』。その店舗跡と当主である難波家の本宅が令和6年(2024年)2月から公開されています。現在残る建物は明治41年(1908年)、12代当主の難波弥一郎が京都から棟梁を招いて建てたもので、通り沿いの呉服店から中庭を挟んで2階建ての主屋のある「表屋造り」になっています。主屋の北側には、もうひとつの中庭があり、こちらを囲むように蔵と茶室が並んでいます。13代の難波富一郎が関西で仕事に就き、昭和27年(1952年)頃から空き家となったものの、年に数回は帰省して保全に努めていたそうです。このため建物や内部はほぼ当時のまま残り、昭和初期までの倉敷の商人の暮らしを伝えています。店舗だった場所には当時の豪華な打ち掛けが飾られ、壁には実際に使われていた値札が張り出され、当時の呉服店の様子を彷彿とさせます。主屋では座敷をはじめ仏間、土間の台所、2階の納戸、勉強室、寝室などが見学でき、古い電話機が壁付けされた電話室といった興味深い見どころが多くあります。
季節ごとに用意されるほかでは見られない展示
建物が公開されるきっかけとなったのは、現当主で15代目の難波永芳さんが蔵のなかでお雛様の御殿飾りを見つけたことでした。京都御所を模した御殿を再現した豪華で大掛かりなもので、昭和5年(1930年)に購入したものでした。「これは皆さんに見ていただくのがよいだろう」と考え、約3年の月日をかけて建物全体の公開準備を進めました。春には御殿飾りのお雛様や享保雛を展示し、秋には「難波家の祝言」というテーマで大正時代の結婚式の様子を座敷に再現するなど、季節ごとの展示をしています。テーマに準じて難波家の家紋入りの着物を着た人形や、五月人形などにもお目にかかれます。ほかにも明治・大正期の暮らしの道具類など各所を現当主が見学者を案内し、建物各部の見どころや展示物についての用途、由来などの説明を直接、聞くことができます。
(2025.03)
(2025.03)
所在地
倉敷市東町1-15
電話番号
086-422-0106
ポイント
母屋に上がっての見学は3日前までに要予約。
1回の見学は6名様まで。
料金はひとり1000円(小学生は無料、未就学児は入館できません)。
予約は公式ホームページから。
旧呉服店部分や展示室のある玄関土間などは予約不要・無料で見学可能。
見学時間
10:00~16:00
定休日
火曜日、水曜日
ホームページ他
HP:https://jurokuya.com
【Instagram】@kurashiki_jurokuya