海苔

全域|農林水産品

黒く艶やか、その味は自然の甘味が広がる。和食に欠かせない食材「海苔」

岡山県の養殖業の中では、カキに次いで主要な産業である海苔養殖。潮の流れが速く、岡山県の三大河川である吉井川、旭川、高梁川からの水が流れ込んだ瀬戸内海は栄養豊富。倉敷市では児島・玉島で海苔養殖が行われています。甘味があり厚みがある海苔です。

瀬戸内海の豊富な栄養がたっぷり

 倉敷市に面する瀬戸内海。潮の流れが速く、岡山の三大河川からの栄養分を含んだ水が流れ込むことで、豊富な魚介が漁獲されています。そして、魚介のみならず、日本人に欠かせない食材「海苔」も養殖されています。岡山県産の海苔の生産量は香川県に次ぎ中四国2位、全国でも有数で、年間約2~3億枚が出荷されています。倉敷市では児島・玉島にある数軒の海苔生産業者によって生産されています。

まるで稲作のように作られる海苔の養殖

 海苔の養殖は春から始まります。海苔は春に受精し、胞子を作ります。その胞子を水槽に吊り下げた貝殻に潜り込ませることで、胞子は貝殻の中で糸状に成長し夏を過ごします。糸状の胞子「糸状体」(しじょうたい)を秋の採苗(さいびょう)まで慎重に育てていくと、貝殻が真っ黒になります。  採苗用の水槽の中には真っ黒になった貝殻が並べられ、水車のような形をした網が浸され、それが回転することで胞子が付けられます。この胞子の付着具合によって海苔の出来を左右すると言っても過言ではありません。そこで、採苗の担当者は網1つ1つを顕微鏡で見て胞子の付着具合を確認していきます。無事、採苗が終わった網は海水で数時間養生させた後、次の工程である育苗(いくびょう)を待ちます。  海水温度が22度を切る頃、生産者が一番神経を使う育苗が始まります。育苗とは胞子が付着した網を重ねた状態で張り、海苔の芽を育てる作業です。この間、生産者は網を空中にさらす干出(かんしゅつ)や、網洗いを繰り返します。この作業は海苔の面を強くすると共に、他の海藻類から病気を守り海苔の成長を促す効果があります。育苗において海苔の芽が十分に育った網は脱水し、冷凍され「本張り」の時期を待ちます。

天候・自然環境・生産者の努力、全てが揃って良い「海苔」が出来る

 海水温度が20度を切る頃、網を1枚ずつ張る、本張りが行われます。海苔の本格的な養殖のはじまりです。本張りの2週間後、海苔の収獲「摘採」(てきさい)が行われます。「もぐり船」という、船が網の下を潜る方式が摘採に広く使われています。  海苔は船から陸上タンクへ運ばれて、攪拌(かくはん)タンクの中で珪藻(けいそう)やゴミを取り除きます。次に洗浄してゴミを取り除き、きれいに洗浄された海苔は細断され、製品の仕上がりを調整するため海苔と水の混ざり具合を調整します。
 次に全自動海苔乾燥機で、「す」に流し込み、四角く流し込まれた海苔を脱水します。ここで2~3時間かけて海苔を乾燥させます。乾燥が終わった海苔は「す」から離され次々とベルトコンベアに運ばれていきます。
 運ばれていった先は、乾燥状態、異物の混入・形状などを選別するカメラ付きの特殊な機械。海苔は直接口に運ばれる食材のため、異物が海苔に入っていないかを何度も特殊な機械でチェックし、厳しい管理が行われています。  そして、選別が終われば10枚を1帖とし10帖単位で結束。そこから岡山漁連の検査場へ持ち込まれて、金属検出器でもう一度異物の混入をチェックします。検査員が格付けを行い、等級が決まった後は各加工業者にて入札、加工され、日本各地で食べられています。
 海苔は海藻類の中でも栄養価が高く、寿司など日本人にとって大切な食材の1つ。その一枚一枚には生産者の努力、技術の進歩、そして豊かな自然環境が詰まっています。
(2014.01-01)

ホームページ

https://www.oygyoren.or.jp/