綿花や米の集散地
伝統的な地場産業から最先端技術が集積する重工業まで多種多様な産業が発展し、今に続く倉敷。江戸時代には綿花や米の集散地として栄えた「天領」(幕府の直轄地)の町として知られ、特に綿の集荷の中心だった倉敷・玉島・児島が「繊維産業」発展を支えました。
明治時代に倉敷紡績が創設された倉敷では、繊維や早島地区の「い草」などを出荷。後にい草の花むしろは全国一の産地となり、今でも高品質ない草製品が作られています。
キャンドル
ブライダルなどイベント用キャンドルの生産シェアを全国の約60%も占める倉敷のキャンドル。ブライダルのキャンドルサービスを日本に定着させたのは、倉敷のキャンドルと言っても過言ではありません。倉敷アイビースクエアの一角にあるキャンドルショップでは、手作りキャンドルの体験もできます。
キャンドルワールド
日本ジーンズの聖地児島
1960年代、倉敷児島から初の国産ジーンズが誕生して40数年。児島は今や世界に誇る「ジャパンデニム」の中枢を担う存在です。
児島はジーンズを広く浸透させ、日本のファッションや文化に大きな影響を及ぼしました。現在、児島は一大産地としての基盤を活かし、次世代クリエーターたちが手がける個性的なジーンズで人気を集めています。現在、数多く流通しているジーンズですが、児島のジーンズの最大の特徴は「風合い」。このジーンズの表情ともいうべき「風合い」へのこだわりが児島のクオリティとなっています。
真田紐から足袋、学生服へと変遷を重ねながら続いてきた繊維産業の伝統技術と、最先端の加工技術、そして若きクリエーターたちの感受性が融合し、ここでしかできない独創的なものづくりがオンリーワンデニムとなり、全国からの注目を集めています。
世界に誇る児島のジーンズ。匠のこだわりが随所に。
帆布
児島は古くから木綿が栽培され、江戸時代の頃から木綿の織りや縫製技術が長期にわたり貯蓄されていました。これを基盤に発達したのが、今では国内生産の約7割を占めるという帆布産業です。帆布は綿の合糸を用いて織った1平方メートルあたり8オンス(約227g)以上の平織りの布のことです。油絵のキャンパス生地、船の帆などに使われ、天然素材だけで作られています。使い続けるほどに味わいが出て、強度、耐久性、通気性にも優れています。昔は全国に見られた帆布も合成繊維の出現で減少しましたが、忘れかけていた古き良き伝統が新しいブランド倉敷帆布として注目されており、シンプルかつ、丈夫で、バラエティー豊富な帆布製品が人気を集めています。
学生服・ユニフォーム
児島は塩業とあわせて綿花の栽培と機織が古くから発達していました。児島が「繊維の町」として発展する土壌はすでに江戸末期にあり、その頃生産が始まった足袋は大正時代には国内最大の生産地へと成長しました。昭和に入り、学生服やユニフォームの生産で業績を伸ばし、全国の学生服の70%を児島で生産するようになりました。
昭和初期から現在までの学生服の歴史や、販売促進用の看板などを展示した児島学生服資料館が2010年、児島下の町にオープンしました。2階には学生服の試着コーナーもあり、記念撮影などが楽しめます。
学生服の歴史や販売促進用の看板を展示した児島学生服資料館
水島コンビナート
石油精製、鉄鋼生産、自動車、各種機械生産を基軸にダイナミックに形成される水島コンビナート。現在、岡山県の出荷ベースの5割近くが水島コンビナートで生産され、岡山県産業の牽引的な役割を果たすとともに、全国的にも有数の臨海工業地帯となっています。
水島が現在のような臨海工業地帯として本格的に開発されたのは、昭和28年頃から。穏やかな天候、高梁川の豊富な水、大型船舶も入港できる港、輸送にも適した天然の運河である瀬戸内海といった、工業用地としての条件が整っていたことから、開発が急速に進められました。
昭和39年(1964)には水島地区を中心とする岡山県南地区が新産業都市に指定さました。ここでは、最先端技術と最新鋭設備による生産工程の見学はもちろん、国際競争力強化や循環型社会創造に向けたコンビナート全体の取り組みについても学べます。
また、眠らないコンビナートが美しく光る夜景も見どころの一つです。
瀬戸内海に臨む日本有数の臨海工業地帯。高梁川の河口と沿岸一帯の海面の埋め立てにより造成された
玉島ハーバーアイランド
備中松山藩の港町として栄えた玉島地区で、酒造、醸造などの伝統の地場産業と国際物流の重要拠点として整備の進む玉島ハーバーアイランド。玉島港の沖合に造られた、総面積約245ヘクタールを誇る人口島です。
ここには、水島国際コンテナターミナルが設けられており、最先端の巨大なガントリークーレンが二基活躍するほか、最新の港湾機能が整えられています。
また、特定重要港湾にも指定され、国際海上輸送網の拠点として注目を集めています。
玉島港の沖合いに造られた、総面積245ヘクタールを誇る人工島
スイートピー
船穂町に入ると丘陵の斜面にたくさんのビニールハウスが目に映ります。
岡山県は、スイートピーの出荷生産量全国第3位で、船穂地区の生産量は県下の8割を占めています。
スイートピーの原産はヨーロッパのシシリー島。日中は温暖で、朝晩の温度差がある方がよい花がつくと言われています。
船穂町のスイートピーは花びらが大きく、軸がしっかりしていて、花持ちがいいので、他の産地のものに比べてより長い期間美しさを保持します。花の色は約40色もあります。
スイートピー