児島三白市
倉敷市で瀬戸内海に一番近い児島は"綿のまち""塩のまち"、"魚のまち"として栄えていました。
江戸時代初期に綿栽培がはじまり、その木綿から足袋を製造して財をなした「野﨑武左衛門」が塩田開発を進めます。その塩がたっぷり入った海水で身の引きしまった魚が漁港に揚がります。
3つの白
そもそも「児島三白」とはどういう意味なのか、ネーミングの成り立ちについて聞いてみると、
一つ目は、繊維の原料となる綿花の花の色が白いということ。
二つ目に、塩田の塩の色が白いということ。
三つ目に、瀬戸内海で捕れる魚のイカナゴの腹部の色が白いということ。
つまり、"綿・塩・イカナゴ"といった児島を支える"繊維業・塩業・漁業"から、その名がついたのです。
時をへた今もなお発展しつづけている三つの産業をもとに、より町を活性化させようと、児島の商店街が協力し合って、毎月最終日曜日に「児島三白市」を開催しています。
憩いのストリート
児島駅近くの7番街から続く商店街に沿って左右に店がならぶ「三白市」。
入ってすぐの丸いケージのなかで戯れている可愛いうさぎたちのお出迎えや、手づくりの木製ラックやイスなどの家具コーナーでは温もりを感じます。
そこから続く、洋服や小物類を集めたフリーマーケットを通り抜けると道路に出ます。
この道路にパトカーと白バイがセットされており、警官が見守るなか、子ども達がバイクに乗って撮影をしています。このように毎月、趣向をこらした催しをしています。
児島ならではの素材と味
道路を渡った所で"児島名物やきとり"の文字と香ばしい煙りにそそられて1本食べてみると、これがすごくやわらかくてジューシーな鶏で味もしっかりついていました。気さくなお兄さんたちとの会話も楽しめます。
食べながら歩いていると「児島おかみさん会」という商店街のおかみさんたちがボランティアで町おこしをしている会の"たこめし"や"ぜんざい"がありました。
たこ、たけのこ、にんじん、しいたけなどの具と地産たこのエキスがしみている御飯が出来たてほやほやで食べられます。おかみさんたちの愛情たっぷりで心が温まります。
さらに進むと「漁師の家庭料理」と題したコーナーでは、瀬戸内児島産マダコを使用した"たこ飯"や児島産特大あなごを用いた弁当などが用意されています。
まろやかプリン
そして、よもぎ餅やきび餅、団子といった和菓子コーナーに三白市限定物もあるパンコーナーの先に"プリン"がありました。
昔懐かしい手づくり感たっぷりのプリンで、卵、牛乳、砂糖、カラメルといった素材の味がそのまま味わえます。
一番人気の"とろけるプリン"は、このプリンをとろ~りまろやかにしたものでカラメルの苦味がないので食べやすいです。
地元のたこ焼き
その先のたこ焼き屋さんでは地元のたこを使用した"たこ焼き"が。
こちらも焼きたてを味わえます。やわらかい生地にプリプリのたこ、ソース、マヨネーズ、青のりもたっぷりかけてくれてサービス満点です。
塩生キャラメル
その向かいには「三白市」のもとにもなっている児島の塩を使用した"生キャラメル"があり、試食してみると甘さのなかに塩味がほどよくきいていてしょっぱ過ぎず、甘過ぎず、後味もあっさりしていました。
穴子のおこわ
ここから、再び、オープンになります。
ハンバーガーショップのとなりに"穴子おこわの竹皮蒸し"というのがありました。蒸篭から蒸したてのアツアツをいただけます。
竹の皮の包みをほどくと湯気ととともに竹皮の香りがたちこめて、交互に敷き詰めた蒸し穴子と甘い卵焼きがふわっふわで口のなかでとろけそうです。
そのまま進むと「三白市」はスーパーのなかへと続いていきます。
イベント広場ではキッズダンスショーが行われていました。この他、ビンゴゲームやスタンプラリーといった催し物が毎月繰り広げられています。
美味しくって楽しい三白市
2008年9月にはじまり、今回(2009年3月29日現在)で7回目を迎える「児島三白市」。最初は人も少なかったそうですが、地元の口コミでどんどん増えていき、とても賑わっていました。
三白市商店街はここ児島ならではの素材を活かした物を中心に町のボランティアの方々の笑顔と優しさがあふれる、地域の人々や観光で訪れた人々が触れ合える、憩いのストリートです。
美味しくって、楽しくって、とにかくお得と三拍子揃った「三白市」。
ぜひ、児島の町を観光した際にお出かけになってみてください。