東京キャラバン in 岡山
2019年12月8日(日)
倉敷物語館に「東京キャラバン」の方々が来られました。
「東京キャラバン」とは、野田秀樹(劇作家・演出家・役者)が提唱する
「多種多様なアーティストたちの”文化混流”から生まれる新たな表現」を
コンセプトに創作するワークショップとパフォーマンスだそうです。(パンフレットより)
12:00開演を前に美観地区を練り歩く出演者の方々。
今回の東京キャラバンでは「市井の人々を描いた小さな物語」と「小さなパレード」
をやろうと目論んで、いたそうです。(パンフレットより)
パレードは中橋まで続くようですが、私たちは、一足先に倉敷物語館に行きました。
中庭を半分占領する様に機材が並んでいてびっくりしました。全国、海外も回るという
キャラバンは、大々的だと感心しました。インターネットでのライブ中継もしていました。
観客もたくさん、14時からの観客は、本当に中庭を埋め尽くしていました。
見上げれば雲一つない上天気で、開演前から、皆さん本当に楽しんでいました。
役者さんが、舞台のそでに座り、きび団子を食べれば、劇が始まるとの紹介に
笑い声が聞こえます。そして彼は食べました。カンカン照りで
暑いくらいの日射しにお芝居ではなくお茶もすすんでいるようでした。
右のお二人は岡山の役者さんで、茶色の服の彼の思い出がインタビュー形式で
語られていくという、なんともユニークな劇の運びでした。
右の写真は、即座に演じられる、20歳の彼の両親役の方です。
瞬時に演じられる時間の経過が、違和感なく見られるのも不思議な演出だと、
感心したのでした。
おなじ高校から、大阪に出てダンサーを目指す彼女と、東京でホテルマンになるという
二人の別れと、4年後の再会の場面など、切なくちょっぴり笑いも誘うお話も、
身近に感じられました。
ホテルマンになった彼は、岡山で、備中神楽にあこがれていた時もあり、中途半端で
辞めたという経歴の持ち主で、ホテルマンをも辞めて岡山に帰ってきたということで、
もう一度神楽を舞う人になろうとします。彼らは快く迎え入れてくれますが、
激しく舞う彼らに、違った形の舞を舞いたいとでもいうように、激しく全員で
舞い狂います。
少し内容が違って桃太郎役の女優にあこがれて、役者を目指す娘のお話でした。
そしてダンサーを目指す同級生に振られたホテルマンは、再び備中神楽の人の
もとに行きます。そこで素晴らしくも激しい舞を見ます。
そしてやはり俺らも舞いたいと、全員で舞い狂います。
なんだかとても余韻の残る市井であって市井ではないお話でした。
全国を回るという東京キャラバンのこれからの活躍を祈りながら、
倉敷物語館を後にしたのでした。