第87回植物園を楽しむ会 「腐草(くちくさ)の季節を楽しむ」
2019年6月9日
「腐草(くちくさ)の季節を楽しむ」のイベントに参加してきました。
重井薬用植物園入り口
先月26日は楚々として可愛い姿だった夕化粧は、
園のいたるところにわんさか咲いていて、目を見張りました。
「可愛いからと庭に植えたら大変なことになる」と笑いながら、
片岡園長先生が教えてくださいました。
トウカンゾウ。野生のものは、長崎の男女群島にあったそうです。
隣にノカンゾウもあったのですが、花はまだ咲いていませんでした。
花は見分けがつかないほどだが、トウカンゾウは、冬でも葉が青いが、
ノカンゾウは冬になると葉も枯れるので、そこで見分けるようにと
説明してくださいました。
右 細葉キスゲ。丈が低く葉が細い。タスゲの仲間。
左 細葉キスゲとタスゲのあいの子で、昼に咲くのでヒルサキタスゲというそうです。
温室エリアにある広い池の中には、ヒメガマが、鬱蒼と茂っていました。
まだそう大きくはなかったですが、一つの茎に雄花と雌花が咲いていました。
風の力で花粉を飛ばす風媒花だそうです。
指ではじくとおびただし花粉が風に乗っていました。
途中の木の枝にいたチャドクガ。少しでも触るとひどくかぶれるそうです。
死んだ後も毛が宙に舞い、皮膚を襲うそうです。落ちたものでも水をまくなどして、
毛が飛び散らないように注意しなければいけないとのことでした。
右は珍しい白い夕化粧。可愛い花でしたが・・・。
花ザクロ、同じ木に咲いていましたが・・・!?実はならないそうです。
くちなしの大木(?)もありました。
温室エリアにあった白いホタルブクロ。
白と紫と色の巾は広いが、混ざりあって咲くことはないそうです。
そして湿地エリアに行きます。入ってすぐ、先月は真みどりだった葉に花が咲いて、
葉が白くなった半夏生が迎えてくれました。花は地味な色で虫を呼べないから、
葉を白くして虫を呼ぶのだとか。
湿地には、あちこっちに元祖野花ショウブが咲いていました。
野花ショウブのすじは黄色で、カキツバタは白いということでした。
黄色のすじをたどって蜜を吸う虫の背に花粉をつけて、
遠くへ運んでもらうのだそうです。
湿地エリアの小高い丘にも今日のメインのホタルブクロが咲いていました。
ここの花には、小さな赤い粉をふるいでかけたようなはんてんがありました。
この日の園長先生の手ぬぐいの模様は、ホタルブクロでした♪
この日見事にたくさん咲いていた野アザミの解説に驚いたのでした。
ノアザミは、おしべが先に成熟し(右)刺激を与えるとめしべが花粉を
押しだすのだそうです。そして優しい女らしい花(左)になるとか。
何気なく見て過ごすノアザミにもこんな生態があることに驚いたのでした。
エゴもすっかり実になっていました。そして虫こぶを作っていました。
エゴの猫足といい、中に油虫の仲間がいるのだそうです。
紫色のホタルブクロが一つだけ咲いていました。
そしてユウスゲの蕾がたくさんの原っぱに出ました。
来月7月14日(日)18:00~20:00
「彼は誰どきのユウスゲを楽しむ」
この蕾たちは、薄闇の中にレモンイエローの花を咲かせて、
訪れる人を夢の世界にいざなってくれると思います。
他にもコオニユリやカラスウリの花、
純白の月見草に会えるかもしれないとのこと。
楽しみです。みなさんご一緒しましょう♪
なお、右端の写真は、見学が終わった後、帰り際
さかんに鳴いていたヨシキリを探していらっしやるご夫婦です。
筆者もひとしきり探したのですが、見つけることは
出来ませんでした。鳥撮り好きな方もぜひ!!