歴史の里 郷内を訪ねて
倉敷駅から児島方面へ車で20分ほど行った所に、「郷内」という地区があります。
ここには、多くの史跡と文化財があり、市内有数の歴史スポットとして知られています。
みずみずしい初夏の風に誘われて、「熊野神社」と「五流尊瀧院」を訪ねました。熊野神社は、701年に修験道の始祖である役小角(えんのおずぬ)の弟子たちが開きました。全国に3800社余りある熊野神社で本宮の昔の姿をこの地のみに残しています。明治の神仏分離まで、日本第一熊野十二社大権現宮といわれていました。
承久の乱にて隠岐に島流しになった父・後鳥羽天皇の一周忌供養の為、冷泉宮頼人親王と桜井宮覚仁法親王が建立しました。
この宝塔は地盤から宝珠の頂まで約5mあり、国の重要文化財に指定されています。
奥へ進むと池田光成が1647年に再建した神殿があります。
さらに奥へむかうと八尾羅宮があります。日本で唯一の「いじめ除け」の神としても知られています。
私がお参りをしていると神社の方が声をかけて下さいました。訪れた日の午前中には「春季大祭」があったそうで、今朝ついたばかりのお餅を分けてくださいました。地域の方の優しさに触れ、神聖な恵みも頂き、心も清々しくなれました。
続いて、熊野神社より徒歩10分ほどの所にある「五流尊瀧院」へ行きました。
役小角の高弟5人が尊瀧院・太法院など5つの寺院を設けたのが始まりと言われ、1300年余の歴史がある、修験道の総本山です。
承久の乱で隠岐に島流しになった後鳥羽上皇の皇子、桜井宮覚仁法親王が下向し、その後冷泉宮頼人親王がこの地に庵を設け、住職になったと言われています。
乳木の煙とは護摩木を焚いた煙の事。
皇子でありながら、児島に配流になった冷泉宮頼人親王は、どのような思いで護摩焚の炎と煙を見つめていたのでしょうか。
旧暦正月23日には修験道最大の行事であるお日待大祭があり、全国から山伏や信者が集まり、採燈大護摩が挙行されています。
郷内にはまだまだ魅力的な歴史スポットがたくさんあります。自然も豊かなので、森林浴やウォーキングにも適していますよ。
歴史の里 郷内へどうぞお越しください。