語り継がれる物語2016 藤戸編
6月23日から26日までの4日間、倉敷市藤戸にある、源平合戦ゆかりの藤戸寺で「沙羅の花を観る会」が行われました。
この時期だけ「源平藤戸合戦大絵図」が、特別公開されました。
源氏の陣から平家の陣に乗り込む佐々木盛綱、浮洲岩また藤戸寺も描かれていました。
浪間より見ゆる児島の一つ松 久しくなりぬ君に会わずして
これは、藤戸が海であった頃が伺える古歌で、一つ松とは、現在の種松山です。
種松山は平家側であり、物見の兵を置いて、源氏の動静を探ったと言われています。
また、種松山の裾野には先陣庵(盛綱が先陣をきって平家方の拠点へと上陸した地点)があります。興味深く大絵図をみせて頂きました。
合戦後、恩賞として、児島の地を賜った盛綱は、源平の争乱で荒廃した寺を修復し、源平両軍の戦死者と、己名のため命を奪った浦人の霊を供養するため、藤戸寺で大法要を行ったとされています。
絵図にある浮洲岩(藤戸石ともいわれる岩)は現在、京都の醍醐寺三宝院の庭に据えられています。応仁の乱によって多くの堂舎が焼失され、山内が荒廃した醍醐寺。
三宝院築庭の際、豊臣秀吉は「千石(約150㌧の米)をやろうか、藤戸石を取るか」と住持に問うたところ藤戸石を申し出たと言われる伝えもあるようです。
平家物語、謡曲『藤戸』の世界に思いを馳せてみませんか?
是非、倉敷市にある源平ゆかりの地を巡ってみて下さい。