倉敷館コンサート
12月11日(金)倉敷館コンサートが行われました。今回の演奏者はクラリネット奏者のティモシー・カーター氏とピアノ奏者の土居里江氏によるもので、開演前から多くの方が集まりました。
すでに倉敷館コンサートには何度もご出演いただいており、毎回大きな感動を与えてくれるお二人を改めてご紹介させていただきます。
ティモシー・カーター氏はアメリカ、メイン州のご出身で、高校・大学はジュリアード音楽院に進学。在学中、アメリカ・ヨーロッパ・日本など世界各地で演奏されています。卒業後、名古屋フィルハーモニー交響楽団に入団され、2年間、首席クラリネット奏者を務められました。その後も新日本フィルハーモニー交響楽団、紀尾井シンフォニエッタ東京、東京交響楽団、岡山フィルハーモニック管弦楽団のゲスト首席クラリネットとして演奏、ソロクラリネット奏者として、日本やヨーロッパでの国際音楽コンクールで数々の上位入賞を飾られています。現在はくらしき作陽大学でクラリネットの指導をされ、日本のみならず、中国でもソリストや室内楽奏者としてご活躍です。クラシックの象徴的かつ感動的な作品の編曲もされ、クラリネットのレパートリーを拡大されています。
土居里江氏は国立音楽大学を首席で卒業、同大学院修了。第20回ヴァルセシア・ムジカ国際コンクールにて特別賞、第14回上齋原ピアニストキャンプにて最優秀賞およびエモリー賞、第3回ASEANショパン国際ピアノコンクール金賞、第10回岡山芸術文化賞グランプリを受賞。各地にてソロリサイタルやコンサートに出演され、国内外の著名なアーチスト、オーケストラと共演され演奏活動を展開されています。現在はくらしき作陽大学大学院准教授、また全日本ピアノ指導者協会(PTNA)正会員、日本ピアノ教育連盟会員、日本演奏連盟正会員としてもご活躍されています。
お二人は誰よりも早く来られて入念にリハーサルをされています。小さなコンサートですが、“いいものを届けたい”という熱意を感じます。たまたま居合わせたお客様はリハーサルの演奏に聴き入って、思わず拍手を送られていました。
曲はこの時期ならではの、クリスマスにちなむものでした。
1. O Holy Night / A.Adolphe(編曲:T.Carter)2. Hungarian Dance / J.Brahms(編曲: T.Carter)3. Ave Maria / F.Schubert(編曲:R.Doi)4. White Christmas / I.Berlin (編曲:M.Kabasawa) 5. Jingle Bells / J.S.Pierpont (編曲:M.Kabasawa) 6. Last Christmas / Wham! 7. Alleluia / W.A.Mozart 8. Silent Night / F.X.Gruber
きっとどなたでも耳にしたことのある曲、「この曲はなんていう曲名だろう?」と思わずプログラムで確認した曲、倉敷館コンサートでは色々なジャンルの曲を楽しむことができます。最初は少し緊張した面持ちのお客様も、コンサート終盤にはとても明るく和やかな表情に変わります。最後のSilent Nightは皆で歌を歌い、コンサートは大きな拍手に包まれました。
そしてこの日、ある“出会い”がありました。観光案内所で韓国から来ていた学生さんに館コンサートを案内したところ、非常に興味を持たれました。話を聞くと彼女自身、ヴァイオリンを大学で学んでおり、ヨーロッパに音楽留学に行く予定でしたが、パリ同時テロ事件が起こりました。ご両親の反対もあり、やむを得ず渡欧を見合わせたそうです。非常に残念そうに話されていましたが、コンサート終了後、彼女に感想を聞いてみると、きらきらした目で「すばらしいコンサートでした。楽しい時間でした。」と日本語で話してくれました。
記念写真を先生方と一緒に。彼女は日本のことにも関心を持ち、中学・高校では日本語を学んだそうです。先生方とは日本語で会話をされていました。
ヨーロッパ留学は残念でしたが、たまたま立ち寄った倉敷でこのような時間が持てたことを喜んでくれた彼女に、こちらも嬉しくなった夜でした。
今年の倉敷館コンサートは12月18日(金)が最後となっております。是非お立ち寄りくださいませ。
場所:倉敷館1階
時間:18:00~18:30
入場料:無料
お問合せ:086-422-0542(倉敷館観光案内所)