語り継がれる物語 藤戸編
今年は平家が滅亡して830年とされ、源平ゆかりの土地では様々なイベントがおこなわれているようです。倉敷市には3ヵ所の源平の合戦地が残っており、その中のひとつ、倉敷藤戸の合戦にまつわる演劇が源平藤戸合戦保存振興会の方々により公演されました。
藤戸寺は源平合戦時、荒廃していましたが佐々木盛綱によって修復されます。そこにはこのような理由があったのです。藤戸がまだ海峡であった平安末期、水軍をもたない源氏方佐々木盛綱は地元の浦人に浅瀬の位置を聞き出します。教えた浦人は盛綱に口封じのため殺害されてしまいます。
馬に乗り浅瀬を渡った盛綱らに油断していた平家は敗北します。当然綱盛は功名をあげ、恩賞として児島を賜ります。領地入りの際、訴訟のある者は申し出るよう触れを出した盛綱に殺された浦人の母は切々と訴えるのです「なぜ息子を殺した。非道だ」と。
盛綱は浦人の母に真実を告白した後、合戦の戦死者と浦人の霊を供養するため藤戸寺で大法要を行ったと伝えられています。
有名な謡曲「藤戸」をモチーフに公演が行われました。観客は地元の中学生です。郷土の歴史を若い世代が心に刻んでくれました。藤戸合戦の地、藤戸寺では毎年6月に「沙羅の花を観る会」が行われ、期間中「源平藤戸合戦大絵図」も公開されたりと現在も源平の歴史は土地と地元の人々によって大切に守られています。
古から伝わっている源氏と平家のゆかりの地へ足をのばしてみませんか?
※源平藤戸合戦保存振興会方々による演劇は9月15日倉敷市芸文館で行われました。