「玉島茶室巡り― vol.1 玉島伝来の茶室と茶道具」展
8月8日から10日まで、倉敷市玉島中央町の遊美工房で、玉島に現存する最古の茶室「西園」(三宅家)が再現、展示されました。明治20年3月12日の茶会記から、同様の釜、茶器、水差し、掛け軸が揃えられました。
倉敷市玉島地区の中心部は、江戸時代、北前船や高瀬舟が行き交う備中一の商業港として栄えた港町で、茶の湯文化が花開き、全盛期には400もの茶室がつくられました。今でも40は残っていると言われています。
これらの茶室を単なる茶室ではなく、「茶室群」として捉え、廻船問屋が栄えた時代の玉島港町の町家の文化をたどり、現存する茶室の調査と活用法を考えようと、玉島地区の住民グループ「玉島茶室群研究会」が初の展示会を開いたものです。
玉島の茶の湯は、1800年、高運寺の建立を機に藪内流が広がり、地主や富裕商人を中心に人々の生活や文化に根付いていきました。
茶室は、商人たちの交流の場として盛んに利用されてきました。
玉島に現存する茶室を持つ旧家の中でも、萱谷家、三宅家、柚木家は、玉島地区の幕末から明治にかけての代表的な三茶人と言われています。
玉島茶室群研究会は、「遊美工房」代表者の安原さんの呼びかけで、2012年にまちづくりなどに携わる5名で発足し、地域の住民から聞き取り調査を行い、すでに現存する12の茶室を調査しました。写真や茶会の記録など、資料調査にも努めています。
今回の展示会に合わせて、8月3日(日)は、専門家として調査に協力して頂いている福井工業大学の池田俊彦先生の講演会、8月10日(日)には、藪内流元岡山県支部長故亀山久寿夫氏を偲ぶ茶会が開かれました。
「「玉島の茶室群」を、港町として栄えた玉島の歴史や文化を象徴する史跡として捉え、活用策や維持管理が具体的になれば、地域づくりに生かしていける。」と期待を込める安原さん。
「玉島の茶室に関する資料や、記録などお持ちの方は、見せていただけると嬉しいです。」と言われていました。
調査の進展が楽しみですね。
【お問い合わせ】
玉島茶室群研究会
090‐5378‐6675(遊美工房 安原)
遊美工房 (〒713-8122 倉敷市玉島中央町1-6-21)