アナジャコとり
5月30日、玉島乙島の高梁川の干潟で、しゃがみこんで、何やら懸命に土を掘っている人々を見かけました。
聞いてみると、皆さんが必死になっていたのは「アナジャコとり」でした。
そこで出会った、アナジャコとりの名人のおじさんに、「乙島でとれるけん、乙島ジャコ言うんじゃ~」と教えていただきました。
とり方ですが、まずは土をくわで5センチ程そぐと、たくさんの穴が出てきます。
名人いわく、「全部の穴の中に乙島ジャコがおるんじゃ」そうで、それぞれの穴に、習字用の筆を差し込むと、筆がアナジャコに押しもどされて、少しずつ上がってきます。
筆の下にアナジャコの爪が見えたら、すかさず両方の爪を両手ではさみ、ゆっくりと穴から引き出します。
やってみると、なかなか名人のおじさんのようにはいきません。はさみそこねると、たちまち穴の奥に逃げられてしまいます。
とっても楽しく、やりだすと夢中になってしまい、時間が経つのを忘れてしまうほどでした。帰るころには、服も泥だらけになってしまいました。
調理方法ですが、カラは柔らかくむかないでも食べられますが、頭の先とひれと呼ばれるヒラヒラの部分は取り除いたほうがいいようです。
泥があるのでしっかり洗うようにと教えてもらいました。あとは、塩茹でヨシ!から揚げヨシ!煮てヨシ!です。
私は片栗粉をまぶしてやや低め温度の油で揚げて、甘辛いタレを絡めて食べた事がありますが絶品でした。お酒のおつまみにも最高です。
ご家族で筆とくわを持ってお出掛けになってはいかかでしょうか。子どもにとってはいい経験になると思います。
自分たちの手でとったものが食卓に出るということを通じて、食べ物の大切さも学べますし、何より自分で捕った物は格別です。
アナジャコをとりに行かれる時には、ごみは必ず持ち帰り、食べられるだけの量をとって、海の恵みに感謝しながら残さず、おいしくいただきましょう。
漁期は、8月いっぱい。一人一人がマナーを守って、事故のないように気を付けてアナジャコとりを楽しんでみてはいかかですか?