旧野﨑家住宅~塩作り体験~
瀬戸内海に面した児島の町は昔から塩作りが盛んでした。
1829年、後に塩田王と呼ばれる野﨑武左衛門が塩作りを創めてから今年で180年目になります。
その旧野﨑家住宅で塩作りを体験してきました。
旧野﨑家の敷地に入るとまずは長屋門が訪れる者を迎えてくれます。
長屋門をくぐり、学芸員(職員)の方に案内され、早速塩作りの体験をさせていただくことにしました。
塩作り体験
塩作り体験は塩作り体験館にて、一度に最大50人まで体験できます。
体験館にはいると中央には塩作り体験用のガスコンロがあり、壁際には塩作りや塩に関する資料が展示されていて興味をそそられます。
塩作りはまず鍋にかん水(濃い塩水)を入れ、コンロに火をつけます。
このかん水は、海水が塩分濃度が約3%なのに対し、約18%と6倍の濃さになっていて、なめるととても塩辛いです。
昔はかん水を作るのに2日、蒸発に2日かかっていたそうですが、現在は工場で大量に作ることが出来るようになりました。
コンロに点火した後は塩作りのビデオを見ながら、かん水が蒸発しきるまでヘラで鍋の周りに付着した塩をはがしながらかき混ぜていきます。
かき混ぜ方によって塩の大きさなどの出来上がり具合が違うそうです。
またしっかりとかき混ぜないと途中塩が跳ねてきますので体験する際はがんばってかき混ぜて下さい。私は塩が結構跳ねてしましました。
こうして出来た塩は自分で袋につめて持ち帰ることが出来ます。
今回作った塩は、市販のものよりもにがりが多く、少し味が違います。
食用として使用できますので是非自分で作った塩を使ってみてください。
旧野﨑家住宅
塩作り体験をした後は、学芸員の方の案内で旧野﨑家住宅を見学させていただきました。
まずは資料館を見せていただきましたが、塩作りや野﨑家の歴史や塩の王冠など、様々な資料がありました。
学芸員の方の説明も興味深く、昔の塩作りはとても重労働であったことや、野﨑武左衛門の功績、塩作りに当時使用していた道具など、落ち着いた雰囲気の中ゆっくりと資料を眺めることができました。
資料館を出ると、次に野﨑家の各所を回りました。風情ある庭園や建物の数々、甕(かめ)に滴り落ちる水滴の反響音がきれいな「水琴窟(すいきんくつ)」の音色などを楽しむことができ、日常とは切り離されたひと時を体験することが出来ました。
また、各所に残された野﨑家の歴史や生活の跡、塩田で働いていた方々の待遇の話など、学芸員の方の説明を受けていると、「塩田王」と呼ばれた野﨑武左衛門の人物像が浮かんで来るような気がします。
歴史を感じさせる建物に美しい、日本的な風景が見られ、あまり知ることのない日本の塩の歴史を知ることが出来る、すばらしい場所です。
倉敷への観光を考えている方も、倉敷市に住んでいる方も是非、一度は旧野﨑家住宅を訪ねてみてください。
また見学の際は学芸員の方の説明を聞くと、より楽しめるのではないかと思います。
塩作り体験は一名からでも体験できますが予約が必要です。
また、塩作り体験は無料ですが別途入館料(大人500円、小中学生300円)が必要になります。
無料駐車場もありますので、詳しい情報はこちらをどうそ。
野﨑家旧宅 総合案内
http://www.nozakike.or.jp/j_museum-annai.htm