真備町の特産品 「竹細工」
井原鉄道の吉備真備(きびのまきび)駅から車でおよそ10分ほどいくと「まきび公園」があります。
その一角に反り上がった屋根と丸窓が目をひく軽食喫茶、土産販売の休憩施設「たけのこ茶屋」がありその左手に「竹工房」があります。
竹工芸同好会
こちらの「竹工房」は旧真備町の特産品である竹を使った工芸品を製作、販売しています。
真備町が定年退職された方々への生きがい対策事業としてはじめました。
「竹工芸同好会」として現在は主に5名ほどの方が活動されています。その1人の坂本修一さんにお話を聞きました。
はじめは竹教室の一生徒だった坂本さんですが、現在は腕をみがいて倉敷市の趣味の講座、夏休みに子供向けの竹細工を教える講師として活躍し、倉敷市内のイベントやまた民芸品としてホテルの置き土産用に出品を要請されるなど多忙な日々を過ごしています。
味わい深い竹の作品
主に作っているのはスプーンや花器、孫の手などの生活用品、カニやトンボなどの昆虫の置物などです。
浮き彫り
また表札などは「浮き彫り」という技法が用いられています。
糸鋸で文字を切り、切りとった部分を浮かし文字を黒く着色しています。竹の丸みに浮き出た文字が素晴らしい民芸品に仕上がっています。
このほか要望があればオリジナル製品も作っています。
腰をかがめないでも使える長い靴べらや柄の長いスプ-ンは高齢者の方に好評とのことです。
竹製品ができあがるまえの一仕事
製作に使われる竹ですが細工する前にまず油抜きという作業をしなければなりません。
毎年10月から2月にかけておよそ4ヶ月かけて行っています。
竹林から竹を切って1ヶ月ほどおき、それから長さが1メートル70センチくらいの大きな釜で茹で上げ油がでてきた所を熱いうちにふき取ります。
この拭きあげが十分にできていないと乾燥した時に茶色っぽい斑点が残ります。
それから天日で2~3ヶ月干してやっと加工できる竹となります。
竹工房の見学
ここ数年は雨不足もあり竹の生長がおもわしくなく切り口がまんまるの良い竹はなかなかないそうです。
ですが竹のもつあたたかみがよいという周囲の期待と声に応え「竹工芸同好会」のメンバーが<竹工房>で腕をふるっています。
見学は自由ですので真備町の伝統工芸である竹製品作りをみなさん見学してみてください。