有限会社 山名書店

水島エリア|明治時代の創業

都羅の小径そばにある老舗の町屋書店

小売書店

営業時間:10:00~19:00
定休日:日曜日・祝祭日 ※その他臨時休業あり

江戸時代は旅籠、明治以降は商店から書店に

家祖・山名豊次は室町時代末期、天正十二年(1584年)に因幡国(現鳥取県)から備中国(現岡山県高梁市穴田)へ移り住みました。その後三代にわたり穴田の地に居住し、この間には土地にちなみ『穴田』姓を名乗りました。江戸時代に入ると徳川幕府の天領であった玉島へ移り、屋号『三好屋』を掲げて旅籠を営み、再び山名姓へ復しました。戦国の動乱を経て土地に根付き、やがて商業都市で由緒を再生した歩みは、地域文化の中に今も息づいています。

 さらに、明治維新以降の交通需要低下に伴い旅籠を廃業し、初代・山名豊次郎が明治初期に現倉敷市連島町西之浦にて紙や筆など文房具を主に扱う雑貨店『山名玉栄堂』を創業しました。これは明治5年(1872年)の学制発布により全国で教育が普及し、文房具需要が急増した時代背景に即した転換でした。その後、明治36年(1903年)の国定教科書制度の導入により、教科書の安定した需要が生まれ、山名玉栄堂は教科書を扱う会社としても発展していきました。「明治7年、西之浦小学校へ紙類を納入した。」という記録が残っており、これを最古の記録とみなし、創業年度と定めています。家に伝わる口碑や過去帳の記録からは、実際にはそれ以前から創業していたそうです。

 やがて屋号を『山名商店』と改めて営業を続ける中、第二次世界大戦時には旧陸軍の寄宿舎のひとつとしても利用されました。戦前は本よりも文房具を主に取り扱い、昭和初期には「円タクに乗って岡山市の細勤舎書店へ仕入に行った」という記録が残されています。また雑誌類は、自動車がまだ普及していなかった時代のため、玉島駅(現在の新倉敷駅)留めの貨物便で送られてきたものを自転車やリヤカーで引き取りに行ったそうです。戦前戦後の将棋名人・大山康晴氏が通っていた西阿知小学校へも、教科書をリヤカーで運んでいたと伝えられています。

 戦後は昭和30年代まではオートバイや軽自動車で駅に引き取りに行っていました。昭和23年(1948年)には水島支店を開設し、当時有数の港であった水島港に近い書店として、また賑わいのあった商店街の中の書店として本と文房具を販売しました。さらに昭和24年(1949年)に東京出版販売株式会社(現在の株式会社トーハン)が創立されたことを契機に物流は次第に改善されていきました。当時は手書きの納品書や請求書、さらには納入日が一切わからないという不安定な物流でしたが、雑誌が定期的に発売されるようになるにつれ、流通の仕組みも整っていったと伝えられています。

「多くの人に本を好きになって頂きたい」
そんな思いで

 昭和28年(1953年)に「有限会社 山名書店」として法人化。平成9年(1997年)に全く新しいコンセプトの本格派書店「マイブックシェルフ ヤマナ本店」を開業。平成11年(1999年)には書店が空洞化していた倉敷駅前のシティプラザ東館に「マイブックシェルフ ヤマナ シティプラザ店」を開業。それまでにご愛好頂いておりました「山名書店 水島支店」と「山名書店 西阿知支店」は残して営業を続けてまいりました。
 
 開業当初は、倉敷市に無かった最大規模の本格派書店として、岡山市への読者流出を抑える事も出来ましたが、相次ぐ大型ショッピングモールと大型書店チェーンの進出、電子媒体等による販売不振もあり、役目を終えたとして惜しまれつつも、平成26年7月までに全店舗を閉鎖しました。同年10月に、創業地 連島町西之浦の旧本店を改修、あえて築90年以上の店舗を使い、レトロな雰囲気だけど新しい「小さな町屋書店」として営業を再開しました。コンセプトのひとつでもある、「子供たちに本物を見せたい」という思いから小さな町屋書店となった店舗でも「国産の木製書棚に和の色(鴇色、萌葱色、木肌色など)にこだわっています。特に人生で最初に手にするであろう活字「絵本」をはじめとした児童書に力を入れております。もちろん児童書以外も取り扱っております。お取り寄せも出来ますので、本の事などお気軽にご相談ください。
 2020年6月からは地元連島の秋季例大祭で巡行する四丁内千歳楽を書印とした、御朱印ならぬ、「御書印プロジェクト」に参加しています。書店に行き、御書印を集めるという全国書店巡りです。

本に関する細やかな仕事にお応えするために

 本業の教科書業務と図書館業務では、いち早く書類のデジタル化を実施し、納品スピードや学校図書館蔵書のご質問、授業で使用する指導資料や教材など多岐にわたって、学校様をサポートしており、近年は、老朽化が進んでいる市内の学校図書館整備の依頼も多く、本の納入以外にも様々な図書館に関わる仕事も増えてまいりました。現在では、「未来ある子ども達とそれに関わられる方々の為」同じ老舗書店の愛文社書店様をはじめとする市内有志書店様と一緒に「倉敷市書店事業協同組合」を立ち上げ、「一冊でも多くの良い本を子どもたちに届けた い。」という思いから、学校図書館司書や学校教員向けに図書の選書をサポートする、図書館向け優良図書展示会「倉敷ブックマルシェ 」を開催しています。2024年の第13回目では、「日本一出版社の参加する展示会」として認められ、倉敷から全国に向けて、読書推進を発信し続けております。
 
 大手書店や企業には出来ない、本に関する細やかな仕事を行うことによって、倉敷市の読書活動の推進や一冊でも本を好きになってもらう活動を精力的に行っております。ま た、当社単独では、出版社向けの基調講演(トーハン全国代表者会議)、倉敷古城池高等学校と玉島商業高等学校で高校生への講演、業界紙でのCSについての 連載、ネット及び新聞、雑誌等、様々な媒体での書評やインタビュー等、本を好きになってもらうためのお仕事をしております。
(2025.11更新)

所在地

〒712-8001 倉敷市連島町西之浦33

電話番号

086-445-1111

代表者

山名康弘(代表取締役社長)

創業

明治7年(1874年)

ホームページ

http://www.yamana.co.jp/index.html